まんがのはなし
この記事はTCU-CTRL場外乱闘 Advent Calendar 2018 - Adventar 12月11日分の記事です。前回のしゃりんの記事はこちら
映画の予告で泣きそうになりました。私はRadio Ga Gaがすきです。
注意
この手の話はネタバレが伴うのは誰だってわかることです。
なるべくしないようにするつもりですがご了承ください。
はじめに
近頃はいろんな媒体で漫画に触れることができ、また膨大な数の作品が存在します。
最近思うこと
次からは人によっては不快に感じる方もいるので、そういう人は読み飛ばすことをおすすめします。
最近、新規開拓が昔に比べてできなくなってきた気がします。
99.9%私の面白い漫画を見抜く力が無いせいですが少し思うところがあったので項目にしました。
本屋で思ったこと
私は本屋の雰囲気やら何やらが好きでしょっちゅう本屋に行き漫画や小説のコーナーで物色するだけの迷惑客なのですが漫画のコーナーで物色してた際に思ったことがあります。
このマンガどっかで見たことあるな・・・
実際はタイトルも出版社も作者の方も異なる全く別の漫画だったのですが何でこんなことを感じたんでしょう。
おそらくジャンルと設定が似通ってたからだと思います。
ここからは邪推ですが、おそらく流行りのやつと似た感じのを描けば売れると出版社側で考えたからだと思います。
そのような思惑によってどっかで見た感じの漫画が書店に並ぶのだと思います。
後は独創性を出すことが難しくなってきていることも考えられます。
1955年から73年まで続いた高度経済成長期において漫画のジャンルが少年漫画、少女漫画、劇画、青年漫画の4つに分類されてから数多くの漫画が生まれました。
そのため、新しい漫画を生み出したとしてもどこかしら既存のものに近い部分が出てきてしまうのであらすじを読んだだけで流れがわかってしまい結果、新規開拓しにくい状況になってるのかなぁと思いました。
漫画における演出について
前の項目で似てるのものが溢れかえってる的な話をしましたがそれでも面白いものは面白いです。それにはテンポがいいだったり脚本が神がかっているとかいろいろあると思いますがここでは演出について書きたいと思います。
そもそも演出ってなんだよと書いてて思ったので調べました。
演出(えんしゅつ)とは、物事を表現するときに、それを効果的に見せること。またはその役割を担当する者のこと。また、機械などの動作の装飾的な動きも演出と呼ばれる。
ここからこの演出次第で作品の出来にかなり影響を与えることがうかがえます。
ここで私がいいなと思った演出を紹介します。
それは通称「皆川フェード」と呼ばれる皆川亮二作品において多くみられる演出で以下のような感じです。
この演出のすごいところは対象とのつながりが直感的にわかることです。
このメガネの男性と"アサイラム"という施設との関係性が目で見てわかりさらにそこからこの男性と"アサイラム"が何らかのつながりをもっていたんじゃないか、そのせいで何か起こるのではないかというドキドキ感といったようなものを与えてくれる素晴らしい演出だと思います。
また市川春子作『宝石の国』でも素晴らしい演出を見ることができます。
この作品はファンタジーかつアクションの要素を持つ作品なのですが全体を通してみると"音"が少ないように感じます。
しかしこの”音”の少なさはいろいろな効果を与えていると思います。
まず第一にアクション漫画において音は戦闘音の意味を持ちます。これが少ないということは戦闘が少なく平和な状態を維持しているということがわかります。また戦闘においてあえて音を少なくすることで漫画でありながらまるで絵画のようにすることでよりファンタジックなテイストを強める効果もあるのではないかと思いました。
この他にも『宝石の国』は市川春子先生の才能あふれる神がかった演出が多いので読んでいて飽きることはないのため、おもしろいのでみんな買ってね。
このように漫画において巧みな演出は読者に興奮を与え、たとえ既視感があったとしても面白い作品にしてくれるパワーを持っていることがわかります。
おまけ
ここからは完全に蛇足なので読まなくて大丈夫です。ここでは私が面白かった漫画のダイマをします.
戦争の英ゆう
作者は猫といううわさもある短編作品で主人公のグレイソンの戦いを描く物語です。これは作者が幼少の時に発足した謎のプロジェクト"AOP"の一つとして書かれています。全体として画力は拙いが起承転結がはっきりしており作者の才能をうかがわせます。またこの作品は独特の技法を用いて描かれています。例を挙げると重要なキーワードに対して波線や丸で囲っていたり、キュビズム的ともいえる俯瞰図と横からみた図の融合などこれまでの漫画にはない斬新かつ画期的な手法をとっています。また細かいところにも作者の才能を感じさせる演出が盛り込まれています。
作中で爆弾のスイッチを押すシーンがあるのですが10カウントそれぞれに一コマ与えることで緊迫感を増す演出がなされています。
また文字だけのコマもあり大事なキーワードを読者に分かりやすく伝えています。
このように戦争の英ゆうという作品は独特の技法による革新的な漫画であるといえます。
次にシナリオですが戦争の英ゆうという重いテーマに対し雑な推理やトレーニングで読者にさわやかな笑いを与え重いテーマでもマイルドに仕上げています。
また気になった方もいると思いますがなぜタイトルの英雄の「雄」がひらがなの「ゆう」なのかですがこの作品では最後自ら敵を倒すために死を選ぶグレイソンの勇気であったり、仲間との友情を描いているため「雄」という文字では作品を表すことができないため、あえてひらがなに「ゆう」にしているのです。(決して漢字が書けなかったからとかではない)
先日、作者の方と対談する機会がありお話を聞いてると近いうちに第二章を公開するとのことです。非常に楽しみですね。
おわりに
演出についてガバガバすぎるなと書いていて思いました。こういうの書ける人すごいですね。もっと精進しなくては。
読んでくれた人、最後まで読んでくれてありがとございました。
御目汚し失礼しました。
次の記事は大先生の名で親しまれているあるみにです。
にゃんこ大戦争のプロとしてその名を馳せた彼の記事に期待で胸が膨らむばかりです。
PZOG